ジョン・キー ニュージランド首相歓迎昼食会

関経連主催。於:リーガロイヤルホテル
2009年10月29日 12:45-14:30

行ってみれば、ニュージーランドの首脳部の大経済ミッションであった。目的はずばり日本にFTA(自由貿易協定)締結を促すこと。駐日大使を務めて後、APECのNZ代表で大活躍したマーティン・ウィーヴァーズ氏が官房長官として首相の左隣にいらっしゃる。素晴らしいご出世です。右にはイアン・ケネディ駐日大使、日本の高橋大使も主賓テーブルに。

ジョン・キー首相(48歳)は見事な水色がかったブルーのネクタイで目を引いた。用意された原稿は読み上げないとのことで、ざっくばらんにNZ英語でスピーチを行った。自分が国民から託された課題は経済成長であると割り切っており、そのためには今後最も成長と人口増加が見込まれるアジア諸国との貿易が鍵となる。ニュージーランドは、昨年の中国をはじめ、アジア、中東諸国と次々とFTAを締結しつつある。日本はどうも取り残されつつあるのではないか。日本はニュージーランドにとって2番目の貿易国であったが、昨年の中国NZ間のFTA以来、中国のその地位を奪われ、4番目となった。

日本は長年の友好国であり、信頼できるパートナーであり、技術、環境産業、頭脳、国内マーケット豊かだ。両国の企業が共同してアジアマーケットに乗り出していこうではないか。競争は激しいが、ここ5年が生き残りのために残された時間だ。(日本が国内農業保護のため、このままFTAに乗り遅れると生き残れないぞ!)
今夕、鳩山総理との夕食会だそうです。

関経連の方たちは、キー首相の挑発には全く乗らず、もっぱら友好関係の強調であしらっていたように見えました。
NZでは実業界で成功した若い方が政治に転身することが多いようです。10年ほど前にウェリントンで「もう政治に政治家はいらない。必要なのは市(あるいは国)を経営できるビジネスマンだ」と聞いたことがあります。ジョン・キー首相とそのチームはNew Zealand Companyの若い社長と役員たちのようにも思えました。
規制緩和、グローバリゼーション(国際的な弱肉強食と私には思えます)、小さな政府。前ヘレン・クラーク政権からの揺り戻しを少し感じました。

私自身は、これを絶好の機会として、「伊吹」に関してキー首相へ直訴状をお渡ししました。現在「伊吹」の模型はテパパ博物館の倉庫に眠っています。伊吹がテパパのコンセプトからは外れていることは理解できますので、いっそオークランドの戦争記念博物館のANZAC展示へ移して、来年のANZACデイに徐幕式をすればNZと日本の友好を強調するニュースになります。 特に2014年はANZAC百周年なので、ハイライトされることを願っていますという内容です。ご返事いただけると嬉しいのですが。
「伊吹がオークランドの博物館に展示されれば、日本人がNZを訪れるトップ10の理由の一つになるでしょう」と書き添えましたので、おそらくご返事いただけるものと期待しています。理由はニュースクリッピングに。
               (呉橋真人記)