食生活に思うこと

7月にデンマークから70名の女子マーチングバンドを迎えました。食生活が保守的なデンマーク。過去の経験から日本食を子供たちに食べさせるのはかなり困難だとは覚悟していました。覚悟していたんですよ!それでも結果は惨憺たるものでした。

 まず、お味噌汁の匂いがダメ。日本は発酵食品が多く、漬物、味噌、しょうゆ、そしてもちろん納豆、全て「匂い」でダメなようでした。サンドイッチやハンバーガーで対処しても、それでも食がすすまない。引率の大人たちも「一体家で何を食べているのか…食べるものがあるのだろうか」と絶句。5年前に来日したときよりも女の子たちの肥満度は確実に上がっており、スラリとスタイルの良い子が少ないほど。これは恐らく世界的な傾向なのでしょう。

 ニュージーランドに日本の子供たちを連れていったときも食事に困りました。「油っぽいものが多くて食べるものがない」と言って食事を残す子供たちが唯一たくさん食べていたものはフライドポテトでした。日本食レストランでの昼食のオーダーは天麩羅そば。ロシアへ子供のピアノレッスンツアーに行き、最後の発表会前に差し入れしたマクドナルドのハンバーガーには歓声が上がりました。そして小さい子が私に尋ねました。「ポテトはないの?」

 日本が誇る発酵食品と野菜や魚を多用する食生活を忘れ、食事の西洋化というよりも食事の簡易化がもたらした傾向のように思います。そういう私も一人暮らし。一人分の食事をつくるのが面倒で、ついついお惣菜コーナーのおかずで済ます夕食。子供のころは遅刻しても朝ごはんをおなかいっぱい食べていたのに、今はコーヒーを飲む程度。ちょっとしたことで風邪をひき、爪は簡単に割れるようになりました。 乱れた食生活がもたらしたつけは大きいものだと最近やっと気づきはじめました。

(永田美夜子)

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