船長逮捕に揺れるニュージーランド 政府支援を求める妻 (3月17日日経)

 東京海上保安部に、艦船侵入容疑で逮捕された、反捕鯨団体シー・シェパード(SS)のピーター・ベスーン容疑者(44)の祖国、ニュージーランドでは、家族の言動がメディアで取り上げられる機会が増えている。妻、シャロンさんは、頻繁にテレビ番組に出演しており、政府による夫への支援を訴えている。今月(3月)12日に、報道陣や抗議団体が集まる中、東京・晴海埠頭(はるみふとう)に夫を乗せた第2昭南丸が接岸する模様が大々的に報じられると、シャロンさんは動揺し、不安を吐露した。

 「日本の捜査当局が彼を見せしめとして懲らしめるのが怖い」 夫婦には15歳と13歳の2人の娘がいる。シャロンさんは子供たちの精神的な影響を心配しつつ、「夫に実刑判決を出すのは賢明ではない。なぜなら、夫には多くの支援者がいるから」とも語る。

 SSによると、ベスーン容疑者には日本人と米国人の計4人の弁護士がつき、訴訟費用はすべて団体が面倒を見るという。SSは、今回の裁判を、日本の捕鯨に対して、国際的な圧力をかけるキャンペーンの場にしようと画策。団体代表のポール・ワトソン船長(59)は、「今後、起こるすべてのことがベスーンを国際的な英雄にさせるだろう」と話している。