ブリヂストン、オーストラリアのタイヤ2工場閉鎖など組織再編

 オーストラリア発(2009年10月23日)−株式会社ブリヂストン(社長 荒川詔四)の在オーストラリア子会社であるブリヂストン オーストラリア リミテッド(以下「BSAL」、社長 原章二郎)は、本日南オーストラリア州アデレード市から北に約30km離れた同社タイヤ工場(以下「アデレード工場」)およびBSALが100%出資しているブリヂストン ニュージーランド リミテッドが保有する、ニュージーランド クライストチャーチ市にあるタイヤ工場(以下「クライストチャーチ工場」)を閉鎖することを決定したと発表致しました。

 BSALは両工場におけるコスト競争力を向上させる為に継続的に努力して参りましたが、国際的な競争激化は、両国でのタイヤ生産事業の存続を、もはや困難な状況に追い込んでいます。
 今回の決定は、本日午後(現地時間)に両工場の全従業員・労働組合に対して説明されました。
 クライストチャーチ工場は2009年末に、アデレード工場は遅くとも2010年4月末までに閉鎖される予定です。
 今回の組織再編により、クライストチャーチ工場では約275名、アデレード工場では約600名の従業員が工場閉鎖の影響を受けますが、約1,500名の従業員からなる物流・顧客サービス・小売事業に関しては、再編の影響なく、これまで通り事業を継続致します。

 BSALは従業員への対応を最優先事項として捉えております。今回影響を受ける従業員は既定の退職手当などを受けることになっております。さらに、BSALは従業員を支援する様々な施策に取り組んでいます。
 BSALのシニア・エグゼクティブ・ディレクターであるアンドリュー・モファット氏は、「両工場の全ての従業員に対し敬意を表したい。彼らの長年にわたるBSALへの貢献は大いに賞賛され、祝されるべきものである。」とコメントしています。

 BSALは今回影響を受ける従業員に対し、関連する政府機関、労働組合や外部業者とも協力して再雇用の支援を行います。モファット氏はこの件について、「BSALは出来るだけ多くの従業員が、当社グループ内あるいは社外において、再就職する為の手助けをしていく。」と述べています。
 BSALはまた、地域社会の多大な貢献に謝意を表明する為、両工場の土地の一部を寄付することを地元政府関係者と協議すると発表致しました。モファット氏は、「オーストラリア・ニュージーランドの関係各政府に対する我々の感謝の意を形に残したい。両国にタイヤ生産拠点を持つ唯一の事業会社として、今回の決定を回避する為の最大限の努力を行ってきた。しかしながら、BSALが両工場の操業を継続していくのはもはや商業的に困難であるという結論に達した。」とコメントしています。

 アデレード工場は1965年に操業を開始、クライストチャーチ工場は1947年に操業を開始しております。モファット氏は、「当社が、長きにわたり両工場でのタイヤ生産を継続することで、多くの雇用を生み出し、利益をもたらしたことを誇りに思う。」と述べています。
 本日BSALは両工場の閉鎖を発表致しましたが、オーストラリア・ニュージーランドはタイヤ事業を行う上で素晴らしい環境にあります。BSALは引き続きアデレード市に本社を構えて、両国でのタイヤ販売・物流・小売・その他の事業を継続して参ります。 10月23日 日経