バブル経済の代償
 7月28日
 
消費も好調で上昇気運だったNZ経済に変化の兆しがはっきり見え、今まで必要以上に浪費してきた消費者層がその代償を迫られている。

NZ最大の投資会社ハノバーファイナンス(Hanover Finance)が窮地に立たされ、経済動向を熟知した投資家でさえ不安定に陥る情勢だ。NZは今までにない好景気を見せてきたが、負債も増加し今までの異例な不動産価格の上昇がその背景にある。

 NZ準備銀行の統計では、1997年NZ$2680億だった国民総所得が、昨年NZ$6140億まで膨れ上がった。そのほとんどが不動産価格の上昇によるもので、国民が抱える総負債はNZ$1700億に達した。1998年はNZ$530億だった住宅ローン貸高も今年5月までにNZ$1590億まで上昇した。さらに平均20.2%もの金利のあるクレジットカードの負債も7.2%上昇して6月末時点でNZ$510億と経済に影を落とす要因となっている。

 今週に入って「たなぼた」的な公定歩合引き下げが発表され一定の緩和が期待されるが、専門家は焼け石に水とさらなる景気後退の加速を予想する。

 今まで好景気の中で生活してきた20代後半から30代前半の世代は不景気を経験していない。この世代の大部分は収入以上の消費を、不動産価格上昇の影に実現してきた。この不景気を乗り切るためには、「節約」がキーワードとなる。

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