ニュージーランド首相「食糧不足時代には農業国がスーパーパワーに

(韓国中央日報より)

 製造業とサービス産業は国家経済力を測る絶対的な定規となってきた。 歴史的に両分野で頭角を現した国が経済強国の地位を占めてきた。 しかし食糧不足で食品の価格が高騰する時代には事情がやや複雑になる。 ニュージーランドのヘレン・クラーク首相は「食糧不足時代には農業国の中からもスーパーパワーが出てくる可能性がある」と強調した。 小麦・豆・コメなど国際穀物価格が上昇し、新興富国の登場で肉類や乳製品の需要が増えれば、食糧生産国が主導権を握ることもある、ということだ。

原資材不足で資源富国と農業国家が新たに注目されている。 「食糧不足現象はニュージーランドにとってチャンスだ。 主要穀物・食糧生産国が強大国に浮上する‘農業スーパーパワー’時代が来るだろう。 過去、韓国・日本など食糧輸入国はニュージーランドが当然、食糧供給源になると信じていたはずだ。 しかしニュージーランドの農産物を望む国が増えた。 関税が高い国は輸入する際に不利になる。 世界各国がわが国と自由貿易協定(FTA)を推進するきっかけになるだろう」

韓国・ニュージーランドFTA交渉はどう進むのか。

「99年の首相就任直後、韓国にFTA交渉を提案したが、韓国側はあまり関心を見せなかった。 今は状況が変わった。 ニュージーランドは先月、中国とFTAを締結した。 中国との貿易が活発になれば、相対的に韓国のチャンスが減るかもしれない。 韓国とのFTA交渉が近く始まることを希望する」

韓国では米国産牛肉輸入問題が政治社会問題になっている。

「韓国のように豊かな国の国民は、価格だけではなく、安全で品質の良い食品を望む。 科学的な助言に耳を傾けるべきであり、感情や怪談、恐怖心に振り回されてはならない」

ニュージーランドには牛海綿状脳症(BSE)恐怖がない?

「ニュージーランドでは一度も家畜関連の疾病が発生していない。 私たちの強みだ。 環境と生物学的な安全を重視する衛生管理システムを整えている」

ニュージーランド農産物の競争力はどこからくるのか。

「ニュージーランドの輸出品の57%は飲食品。 1次農産物だけでなく、ワイン・チーズ・牛肉・果物などプレミアム級の高付加価値商品が多い。 ニュージーランド農業の競争力は農業を保護しない点にある。 ニュージーランドの農産物は世界市場で、そして外国商品はニュージーランド市場で自由に競争する」

韓国農業に助言があれば。

「何がうまくできるか考えるべきだ。 ニッチ・特化市場を探さなければならない。 日本で神戸牛を食べたが、本当においしかった。 ニュージーランドの牛肉とは違う味だった。 独特で信頼できるものを開発する必要がある」

ニュージーランドを率いて10年近くなる。リーダーとしての哲学は。

「リーダーはビジョンを提示し、目標に達する施行計画を出して、人々がついてくるようにしなければならない。スローガンや未熟な政策を乱発するのはリーダーシップとはいえない。ニュージーランドは議会国家なので、野党を説得してともに引っ張っていく‘コンセンサンス型リーダーシップ’が定着した。政策もリーダーも環境も結局、持続可能でなければならない」

この20年間のNZと日本の経済指標の逆転は政治家のリーダーシップによるものが大きいのではないでしょうか。「出る杭は打たれる。じっと風を待つ」無為無策で何も決断しないのが、政治家としても、会社員、公務員としても、生き残る最善の戦略である日本の特殊性は変化の激しい現代には適応不全をまねきかねませんね

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