結婚しないNZ人増加傾向

 NZ人は、伝統的な結婚から離れつつある。新しい制度シビル・ユニオン(Civil Union=市民契約=同性結婚)も同様だ。

 今週統計局が発表したところによると、シビル・ユニオンが導入された2006年には374件の届出があったのに対し、昨年は316件と減少傾向が見られた。結婚の届出数と比べるとわずか1.5%に留まった。
 しかし結婚もそうは違わない。過去25年間の個人同士の関係における最も大きな変化は、事実婚の増加だ。
 15歳以上のNZ人で正式に結婚している配偶者と同居している人の割合は1981年の59.5%から2006年には47.5%に減少。一方で、事実婚関係にある相手と同居している人の割合は3.9%から13.1%に増加した。
 どのような種類のパートナーも持たず、「独身」と分類される人の割合は1981年には36.6%だったのが1991年には42.4%まで上昇。これはこの頃失業率が高く、男性にとって結婚が難しい時期だったためと推定される。その後失業率の減少とともに、この割合も39.4%にまで下がっている。

 2006年までにシビル・ユニオンになった439組、878人は0.03%に過ぎない。シビル・ユニオンや事実婚と比べると結婚は未だに最も多く、パートナーと同居する人の78.4%を占めた。
 NZでは事実婚を受け入れる文化的な変化はすでに起こっている。UMRが昨年行なった調査によると、NZ人の78%が男女が婚前に性交渉を持つことは「道徳上認められる」と考えていることが明らかになった。アメリカ人の59%よりも高い割合だ。

 正式な婚姻以外の関係にある男女から生まれた子どもの割合は1981年の22.5%から2006年には47.2%に増加。これはアイスランド、スウェーデン、ノルウェイ、デンマーク、フランスに次いで世界で6番目に高い。
 また統計局は、「独身者」の割合が1980年代後半から90年代初頭にかけての不景気以前の状態にまで未だに戻らないことから、全体的に見てあらゆるパートナーシップ関係から離れる傾向が見られることも示唆した。
 ウェリントンのビクトリア大学のエコノミスト、ポール・カリスター氏は、1980年代に単純労働の仕事が少なくなった後、仕事に就くことができなくなった男性が多いことが原因では、と話す。しかし同時に人々の生き方の選択が変わってきたことを反映しているのかもしれないと話す。

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