NZ中銀が利上げ、基調インフレ加速の兆候を指摘

 【ウェリントン 26日 ロイター】 ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は26日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを0.25%ポイント引き上げ、先進国で最も高い7.75%とした。利上げは2カ月連続。強い内需が基調的なインフレ圧力を増幅させていると指摘したが、これまでの声明とは違い、追加引き締めの必要性については言及しなかった。  UBSのシニアエコノミスト、ロビン・クレメンツ氏は「追加利上げの引き金には指はかかっていないようだ。措置を講じたのでしばらく様子を見ようという状態だろう」と述べた。

 利上げ発表を受けたニュージーランドドル(NZドル)相場は、0.7435/45米ドルから0.7415米ドルに軟化した後、持ち直して0.7489米ドルまで上昇し、その後、0.7450/60米ドル付近で落ち着いている。  銀行手形は利回りが7ベーシスポイント上昇し8.11%となった。

 ロイターがエコノミスト16人を対象に実施した事前調査では、利上げがあるかどうかについて意見が半々に分かれていた。市場は0.25%ポイント利上げの確率を60%程度織り込んでいた。
 中銀のボラード総裁は、基調的なインフレが加速している兆候があると指摘。今回の利上げの狙いはインフレ率が中銀の目標レンジ内に確実に収まるようにするためだとした。
 NZドルについては「ヒストリカルな観点からして異例で、中期的なファンダメンタルズからも正当化できないほど高水準にある」と警告した。

 NZドルは先週0.75米ドル手前まで上昇し、変動相場制移行後22年間での最高値を付けた。前回利上げがあった3月8日からは約10%高の水準。中銀が重視する貿易加重平均では約7%高となっている。
 第1・四半期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.5%で、中銀の目標レンジの1―3%に収まった。ただ、外国との競争にさらされない家賃や教育費、医療費などは4.1%上昇している。  また、住宅業界のデータによれば、3月の住宅価格の中央値は前年比14%上昇した。

尚、5月17日のNZドルTTS(送金レート)は90.75円です。

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