ニュージーランド 2000の魅力事典に佛大教授ら執筆

Kyoto Shimbun 2007年8月17日(金)

日本との関係が深い南太平洋の島国ニュージーランドの情報を網羅した初めての事典「ニュージーランド百科事典」(春風社)が発行された。関西を中心に研究者でつくるニュージーランド学会(事務局・大阪学院大)が編集した。執筆者の1人の植村善博佛教大教授(自然地理学)は「日本が学ぶべきことの多い魅力的な国ニュージーランドをもっと知ってもらいたい」と話している。
ニュージーランドの歴史と政治、経済、生活、文化、自然など2000項目を写真や図版とともに収録し、年表や国立公園、保護海域などの各種地図も収めた。1893年に世界で初めて女性参政権を認めるなど女性の社会参加の歴史と現状や先住民の権利保障、政治への国民の直接参加と徹底した行政改革、自然保護などの先進的な取り組みも詳しく解説している。

 ニュージーランドと日本は、肉や酪農品、水産物などの輸出入で関係が深く、観光や語学留学も増えている。「ニュージーランドは治安も良く、街も美しい。親切で礼儀正しいイギリス文化の良き伝統を引き継いでいる」と植村教授。「地球温暖化防止のための京都議定書の取り決めに真剣に取り組み、非核を徹底するなど人口400万人の小国でも筋を通している」という。
 京都とニュージーランドも、宮津市とネルソンが1976年から姉妹都市になるなど縁は深い。植村教授は「欧米にばかり目を向けるのではなく、太平洋の個性的な国ニュージーランドのことを知ってもらいたい」と話している。

一覧表へ戻る