不況の兆し

 1998年の不況に似た状況がやってくるかもしれない - BNZ銀行が予測する。

 BNZ銀行では、今年は景気が停滞することを予測。不況には至らないとしつつも多大なリスクがあると述べた。

 エコノミストのマーク・ウォルトン氏は「世界的な景気の停滞に加え、住宅市場は期待に反して振るわず、さらに1998年の干ばつと同じ状況に瀕している。1992年の電力危機と似た状況も発生している」と述べる。
 1997年、それまでニュージーランドは順調に経済成長を遂げてきたが、一般家庭の家計への負担は増大し、住宅市場は急激に下落、消費意欲も失われた。当時はアジアの経済危機があった。今はアメリカをサブプライムローンの危機が襲っている。翌1998年は干ばつに見舞われ、ニュージーランドはついに不況に陥った。

 農業の生産活動が5%下落したために国全体の経済成長率がすでに1%下降している。酪農の大手フォンテラ(Fonterra)は、今シーズンNZ$500万に相当する生産量が失われたと話す。今週末の降雨は恵みの雨だったが、ほとんどの農家ではすでに水や草の不足により雌羊を食肉にしてしまった。

 発電業界では、4月より前に冬の電力不足を予想するのは時期尚早としているが、気象台は主な貯水湖の地域における日照りが今後も続く可能性を50%と予想している。

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