Mom or Mum?  ところ変われば、英語も変わる!?

 皆さん、英語圏の諸国で使われる英語は全く同じだ、と思いこんでいませんか。実は国によって、発音が違ったり、同じ事象を異なる単語で指したりする例は枚挙にいとまがないのです。「コレって英語で?」と頭をひねる時にも、無視できない要素ですね。

 「お母さん」は、米国では mom ですが、英国、旧英植民地の豪州や我が母国ニュージーランドでは、mum です。

 紛らわしいのは keep mum about〜(内証にする)という慣用句。「ぼくが部屋にチョコレートケーキを隠していることは秘密だよ」(Please keep mum about the chocolate cake in my room)という風に使います。米国では、この mum を、mom と置き換えるのか、と思いきや、この場合は mum のままなのです。
 さて、南半球のニュージーランドでは夏が終わりに近づき、秋の気配が忍び寄るころ。米、カナダで秋は fall ですが、ニュージーランドでは autumn 。「私は紅葉を楽しむドライブが好きだ」は、I love going for a drive to see colorful fall(米、加)/autumn(英、ニュージーランドなど)leaves.です。

 ドライブに出ると途中で給油することもあります。給油所は米国なら gas station、その他の英語圏諸国では petrol station です。秋のドライブを題材に米国と、その他の国々の表現の違いを見てみましょう。

 「車を止め、歩道に降る赤や黄色の枯れ葉を妻とロマンチックな気分で眺めていた。だが、乳母車の赤ん坊が泣いたので、慌てて薬局でオムツを買い、替えた」であれば…… After I stopped the car,my wife and I watched the red and yellow leaves falling on the sidewalk(米)/footpath(その他).It was very romantic.But our baby in the stroller/buggy started crying,so we had to rush into a drugstore/pharmacy to buy some diapers/nappies and change him.

 私自身は英国式の英語で教育を受けたので、子供のころ、米テレビ番組の言葉遣いを不思議に思うこともありました。どちらが正統な英語か、という問題ではありませんが、違いを覚えておくと便利ですね。
デイリー・ヨミウリ(キャメロン・マックロクラン記者)

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