英オックスフォード大学、ニュージーランド先住民族の遺骨を返還へ【2月1日 AFP】


 英オックスフォード大学(Oxford University)は1月31日、同大の自然史博物館(Natural History Museum)に保管されているニュージーランドの先住民、マオリ(Maori)とモリオリ(Moriori)の遺骨を返還すると発表した。

 返還対象となるのは、マオリ人の頭蓋骨2個、骨盤の一部と、チャタム諸島(Chatham Island)で発見されたモリオリ人女性の頭蓋骨で、19世紀にオックスフォード大が入手したもの。

 返還された遺骨は、テパパ・トンガレワ国立博物館に展示された後、最終的にはマオリ、モリオリ両民族の団体に返還される予定。返還の時期について大学の担当者は「順当な時期」と述べるにとどめた。

 オックスフォード大は返還理由について、これらの骨の科学的・教育学的価値を査定したところ希少価値はなく、人類の移動史研究には役立たないことが判明したためと説明した。

 今回の決定に先立ち、ニュージーランドのテパパ・トンガレワ(Te Papa Tongarewa)国立博物館も2005年夏に遺骨の予備調査を実施し、2007年1月にオックスフォード大へ遺骨の返還を公式に申し入れていた。

 先住民族マオリは、英国人を中心とする欧州移民が相次いだ19世紀以前からニュージーランドに居住していた。現在のマオリ人口はニュージーランド総人口420万人中の15%を占める。一方のモリオリの人口は、ニュージーランドの国勢調査(2001年)によると約600人となっている。

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